分解したパーツのグリスをパーツクリーナーで流してゆく。ベアリング箇所は硬めのグリスが使われている様子で流れにくい。
ハブシェル。チェーンからの入力が内部を通って最終的な出力となるパーツ。シェル側の歯車がローギアで駆動、ボールリング側の歯車がセカンドとトップで駆動する。
ドライバーの回転を流すベアリング。カップの塗膜(メッキ?)のようなものがベアリングに沿って剥がれ、フチは触るとペリペリ剥がれるのが気になる。全部剥いてしまいたい気もする。ボールレースが全パーツ中で唯一樹脂製だった。
圧入されている軸側のベアリングはともかく、ここは分解しなくても開けてメンテ出来る様子。
ドライバー。踏力を一手に受けてハブ内部へ伝えるパーツ。外側のラチェットがギアリングへ、内側の溝がクラッチへ力を伝達する。
太陽ギアのついたアクスル。後輪を外す時に一度は触るインジケーターチェーンはアクスル内を通り、小さなアクスルキーに接続する。
右手のラビットイヤーをカチカチ操作すると、この小さなアクスルキーが左右に動く。
クラッチ。シフト操作で左右にスライドし、ドライバーからの力の流れを変える要のパーツ。
アクスルにクラッチを通したところ。インジケーターチェーンにつながるアクスルキーがクラッチに引っかかり左右に動く。左端へはバネの力で押し付けられる。シフトワイヤーをトップギアで調節するのはこの為なのね。
ギアリング。太陽ギアを回る遊星ギアの周りのアウターギアが内側にあり、セカンド、トップギア時にハブシェルを駆動する特殊なパウルがついている。
ギアリング側パウルの動作。ふだんはバネの力により開いた状態になっている。ローギア時にギアリング内側をクラッチが通り干渉すると引っ込む仕組み。(外側から押さえているが、実際は内側のパウルが押さえられて引っ込む)
遊星ギアを格納するプラネットケージ。この遊星ギアとアウターギアのギア比を入出力で切り替える事によって変速が行われる。ここまで分解してみると、今度はこれを考えた人の頭の中を分解してみたくなる(笑)
分かりやすいクラッチ動作の例。写真左側はトップギアでクラッチが遊星ギアの軸を駆動してプラネットケージ自体を回す。写真右側はクラッチが外れてプラネットケージへ直接入力が伝達されていない。
(続く)